メリークリスマス! 今年の冬は暖冬になりそうですね。
さて、本題です、平成19年度の沖縄県の統計によると、現在の産業構造は以下の通りです。第一次産業、第二次産業が低下傾向であり、第三次産業が肥大化している。これは、沖縄県にとってバランスの欠いた産業構造です。
1.現在の沖縄県の産業構造(平成19年度の沖縄県の統計より抜粋)
(1)沖縄県の第一次産業・・・低下傾向
第1次産業の構成比は、低下傾向で推移し、平成3年度に3%を割り、その後は2%台で推移し、平成12年度は2%を割り、平成14年度も1.8%となっています。
(2)沖縄県の第ニ次産業・・・低下傾向
第2次産業の構成比は、昭和62年度の21.4%から低下傾向で推移し、平成2年度に20%を割り、平成14年度は14.4%となっています。
(3)沖縄県の第三次産業・・・増加傾向
第3次産業については、年を追って構成比が大きくなっており、平成2年度には80%を超え、平成14年度は88.3%となっています。
2.産業別の人口推移は以下の通りです。
(1)第一次産業・・・・・5,4%
農林 26千人
漁業 6千人
(2)第ニ次産業・・・・・16.7%
建設 68千人
製造 32千人
(3)第三次産業・・・・・77.4%
電気、ガス 2千人
情報通信・運輸 42千人
卸・小売 105千人
金融・保険 20千人
医療・福祉・教育 103千人
複合サービス 105千人
公務 36千人
3.現在の世界の抱える諸問題
(1)世界的な外部環境の変化(ピンチは、沖縄も変わるチャンスです!)
①地球温暖化
世界で排出する二酸化炭素(温暖化ガス)の影響は、平均気温の上昇、異常気象、海面上昇などの環境被害が予想されています。
②オゾン層破壊
フロンガスなどのオゾン層が破壊は、有害な紫外線が増加し、皮膚ガンや白内障などの増加が予想されています。
③食糧問題
世界で飢餓人口は10億人以上。約5人に1人が栄養失調や飢えに苦しんでいます。推計では、1日に約3万人以上の子どもが餓死しているのです。
④環境ホルモン
ダイオキシンなどの環境ホルモン(化学物質)の影響で、野生生物の異常のみならず、人間にも影響が出ているといわれています。
⑤ゴミ問題
日本は、もったいないといいながら、世界で、一番、残飯をすてる国です。世界でも有数のゴミ大国、ゴミ焼却場の数は、先進国では一番多いいといわれています。
(2)新しい産業構造への転換
以上みてきた、環境破壊の原因は一体なんでしょうか。私たちの日々の生活そのものです。沖縄は、小さな国です。沖縄を小さな地球とみなした場合、食糧問題、ゴミ問題や環境問題などは、よその国の話ではありません。必ず我々にしっぺ返しがやってきます。沖縄県でも、環境5Rポリシーを踏まえた地域循環型経済を柱とした、新しい産業構造に転換していくことが必要となってきております。
①環境5Rの実践する産業構造へシフトさせる政策
R1:リデュース : ゴミを出さない(ゴミを減らす)
R2:リユース : くり返し使用する
R3:リサイクル : ゴミは回収して、違う製品の原料として利用する
R4:リフューズ : 過剰包装などのムダを拒否するという姿勢
R5:リジェネレーション : 再生品を積極的に使用する
②地産地消型・循環型経済への構造転換
今年、中国製品でメタミボス入り餃子事件などが発生し、輸入食品の安全が問われています。輸入食品には、様々な食材や調味料が使用されていますが、その原材料がどのように生産、製造されたものかは全然わかりません。
沖縄において、飼育、食品加工、小売、廃棄(リサイクル)までを考えた、トレーサビリティ(Traceability)(※参考)の徹底した管理システムを導入し、地産地消・循環型経済モデルの構築が必要になってきていると思います。
一見すると、保護貿易主義や自由競争を阻害するように思いますが、食に関しては、人間の命や環境に係わることなので、地域経済と人々の働く場所を確保し、安全、安心な食の生産から販売まで、一貫して行う取り組みは必要であると思います。
地域生産者や小売業者が一体になり、新しい付加価値をつけることができれば、大企業の食品メーカーや輸入品に負けない商品製造や販売が沖縄でも可能かと思います。
※参考 : トレーサビリティ(トレイサビリティ)とは
英語の「Trace(追跡)」と「Ability(可能性)」の合成語で、バーコードなどにより、製品の製造履歴・所在などを追跡できる方法の概念のことです。
食品偽装問題の予防策や、工業製品でもすでに品質管理・安全・環境(リサイクル)を目的として多く取り入れられています。
③雇用の拡大と地域経済を守る
以上、食に関して、地産地消型・循環型経済の構造が確立すると、農業、漁業、製造など、地域で働く場所、雇用が生まれ、より安全な安心した食品をたべることができ、環境にも優しい取り組みにもなります。それは、何より新しい雇用を創出し、地域経済を守ることにもつながります。
④観光客への新しい料理やメニュー・レシピの提案
観光客の1000万人構想は、大変意義なものですが、観光客数を増やす前に、客単価を7万円から14万円に増やす知恵や工夫が求められています。人が増えると、この小さな島は、環境破壊されます。人を増やすより、入島時に環境税を取り、観光客の制限をはかり、沖縄県の環境保全を図ることが大切です。
また、観光客へ新鮮な沖縄の食材を活用した新しいメニューや料理レシピ、お土産の研究開発を行い、飲食等に関する客単価を上げる工夫が求められています。やはり、観光客の一番楽しみは、地元の食材で料理したお食事と島の人々との触れ合いだと思います。そのような場所をモット創造してく知恵と政策が必要です。
(3)最後に
平成19年度の全国の貿易と沖縄県の貿易統計の比較をみてください。
■全国の貿易
輸出:83,931,438百万円、輸入:73,135,920百万円、
貿易黒字:10,795,518百万円
■沖縄県の貿易
輸出:59,578百万円、輸入:198,113百万円、
貿易赤字: ▲138,535百万円
うち、輸入品目:食料品23,376百万円(約12%)、
原油・ガソリン122,684百万円(約62%)
(1)地産地消・循環型経済の構築で、食料品を輸入しないと仮定すると、
単純な経済効果⇒ 23,376百万円
(2)新エネルギーの研究開発(バイオ燃料や廃油リサイクル)で、原油を輸入しないと仮定すると、
単純な経済効果⇒ 122,684百万円
合計で、138,535百万円の経済効果です。
因みに、138,535百万円÷平均所得2百万=69,267人の雇用に相当します。
沖縄県は、幸い出口である第三次産業は発展しております。今後、第一次産業、第二次産業を再生し第三次産業を含めた、次世代型の人間と環境に優しい第四次産業(地産地消・循環型経済)を創出し、7万人相当の雇用に貢献できたらすばらしいと思います。
(追伸)
今年一年、読者の皆様をはじめ、沖縄県、公社等、いろんな方にお世話になりました。
この場をかりて、心から感謝申し上げます。
皆様にとりまして、来年はすばらしい年でありますよにお祈り申し上げます。
以上
㈱沖縄ヒューマンキャピタル
代表取締役 金城 和光