私は現在、毎週水曜日の午後、沖縄県産業振興公社で特許に関する無料相談を行っている。企業の皆さまの関心も高く、昨年度(平成18年度)は約400名の方の相談に対応した。
沖縄県産業振興公社での特許相談サービスは、平成9年11月からスタートした(毎週水曜日、月5回)。最初のころは、ほとんど知られていなかったこともあり、11月の相談件数は、わずかに2件であり、翌月の12月は6件であった。
当時、特許庁がデータの電子化を始めた頃であり、翌年の平成10年4月からようやくパソコン出願(但し、特許出願のみ、)が開始された。フロッピーディスクによる特許出願が主流の時代であった。同じくその頃、ウインドウズ95が華々しくデビューし、さらにインターネットが普及し始めた。ITの急速な普及とともに、ビジネスモデル特許が初めて出願されるようになった。
当時、インターネットを用いた特許検索システムは、全国でも4,5社しかなかったが、そうした時代に、特許庁が検索検証して認められた3社の中の1社が、沖縄県出身社長の(株)グリーンネットによる「G-net検索システム」であった。このシステムが稼動しはじめてすぐに、沖縄県産業振興公社で導入し、中小企業向けの調査サービスを開始したのが、現在も私が担当している特許相談サービスの始まりである。
その頃の特許や知財の活用の実態は、ほぼ大手企業の独占状態であり、例えば、東芝では、「TOSPAT」というスーパーコンピュータを活用した独自の特許検索システムを所有していた。このシステムは、特許庁のシステムを大きく上回るほどのものであった。
そうした時代にあって、インターネットによる特許検索が可能となったことは画期的なことであった。それによって中小企業でも大手企業と同等の特許検索が可能となったのである。
当時も特許庁は、無料のインターネットによる特許検索システムとして、特許電子図書館が稼動していた。しかしながら、当時の特許電子図書館は、特許公開公報の全体から検索できるのではなく要約部分からしか検索ができないという問題があった。
しかし、「G-net検索システム」は、特許公開公報の全文からフリーキーワードで検索ができる数少ない画期的なシステムだった。沖縄県産業振興公社でも特許情報の検索サービスは行われていたが、当時は課金制有料システムである「パトリス検索システム」が導入されていた。
「G-net検索システム」は、定額制有料システムであり、何回検索しても同じ金額なので、納得がいくまで何度で検索を繰り返すことができる上、検索精度は格段に向上し、大手企業のシステムと同等の検索が可能となったのである。
無料相談サービスとIT化の急速な進展によって、沖縄県の中小企業の特許取得件数は飛躍的に増えたのではないかと思う。
次回は、「当時の沖縄県の特許出願の状況について」
えるだ法律事務所
特許部 有賀 俊二
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○毎週水曜日 午後1時~6時(1時間単位の予約制)
場所:(財)沖縄県産業振興公社(沖縄産業支援センター4階)
※公社へ事前電話予約が必要です。098-859-6237
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